事業概要

事業概要

本事業は、医歯工法および地域との連携により、児童虐待や薬物中毒、未知の感染症など臨床分野への応用を可能とする「臨床法医学」の資質を備えた基礎研究医及び関連職種の人材を養成することを目的としています。具体的には、令和2年に採択された文部科学省「先端研究基盤共用促進事業」と連携し、石川県警察本部科学捜査研究所および関連施設がもつ児童虐待や薬物中毒等に関連する情報を教育用にデータベース化し、参加大学教員および学外連携機関職員がそれらを活用することで実践的な生体鑑定模擬演習(D3)を含む法医学専門教育を行います。さらに臨床統計や関連法規、歯科法医学、検案実習などからなる法医学基礎科目(D1-D2)、卓越大学院、工学・分析系とも連携した法医学先端研究科目(D3-D4)をカリキュラムに加えることで、より先駆的な「臨床法医学」を実践できる人材の養成に取り組みます。

事業内容

プロジェクト組織

  • 最高決定機関:学長連絡会議
    金沢大学長 秋田大学長 金沢医科大学長 日本歯科大学長
  • 事業運営:臨床法医教育拠点コンソーシアム運営協議会
    事業推進責任者 1名
    事業推進プロジェクトリーダー(委員長) 1名
    委員 7名
    (計9名 令和3年12月1日現在)
  • 教育プログラム編成:基礎研究医養成活性化プログラム教務委員会
    委員長 1名
    委員 7名
    (計8名 令和3年12月1日現在)
  • 地域法医関連団体:臨床法医教育拠点コンソーシアム
    各自治体、石川県警察本部科学捜査研究所、警察協力会、石川県中央児童相談所、石川県地方検察庁、県医師会、県歯科医師会、民間病院、民間企業(島津製作所等)等約15機関
  • コーディネーター教員 1名
  • 運営事務局(金沢大学医薬保健系事務部学生課内) 2名(コーディネーター1名含む)

スタッフ紹介

塚 正彦(Masahiko Zuka)

金沢大学医薬保健研究域医学系・教授
Kanazawa University, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Faculty of Medicine/Professor

法医学が専門で、法医病理学的手法を用い、金沢市を中心とした石川県加賀地方の要請に応じた法医実務における死因究明の任にあたっています。研究の興味の中心は暴力及び虐待問題への血管法医病理学の応用です。講義は経験とエビデンスに基づいた知識の伝達に努めます。明確な目的と使命感を持った人材の参加を期待します。

研究者情報研究室ページ

河﨑 洋志(Hiroshi Kawasaki)

金沢大学医薬保健学総合研究科長
金沢大学医薬保健研究域医学系・教授
Kanazawa University, Graduate School of Medical Sciences/Dean
Kanazawa University, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Faculty of Medicine/Professor

大学院医薬保健学総合研究科長の研究科長としてプログラムに参加させて頂いております。法医学は様々な研究領域とも関連していることから、本プログラムを受講することにより臨床法医学のみならず、多くの有意義な経験ができると思います。本プログラムを通じて、将来の臨床法医学を担う人材が多く輩出されることを期待しています。

研究者情報学類ページ

長谷川 浩(Hiroshi Hasegawa)

金沢大学理工研究域物質化学系・教授
Kanazawa University, Institute of Science and Engineering, Faculty of Chemistry/Professor

水圏における微量元素の分析法、有害金属汚染に対する化学的環境修復技術、廃棄物中有用資源のリサイクル技術の開発に取り組んでいます。講義では、ナノ環境科学分野における分析化学やその応用について解説します。講義を通して受講生がイノベーションにつながる何かを見つけてくれることを期待しています。

研究者情報研究室ページ

佐藤 美樹(Miki Sato)

金沢大学大学院法学研究科法務専攻(法科大学院) 教授
Kanazawa University, Law School/Professor

法曹養成の専門職大学院(法科大学院)で刑事訴訟法を教えています。刑事訴訟法は、捜査から刑事裁判での事実認定や判決宣告の手続を定める法律です。児童虐待などの犯罪には専門的知識を持つ専門員の調査情報が捜査の開始になったり、重要な証拠になります。情報収集や証拠に関する手続や規制を学び、犯罪予防のためのシステムを一緒に考える場にしたいと思います。

研究者情報

早川 輝(Akira Hayakawa)

秋田大学大学院医学系研究科法医科学講座・教授
Department of Forensic Sciences, Akita University, Graduate School of Medicine/Professor

水上 創(Hajime Mizukami)

金沢医科大学大学院医学研究科生命医科学専攻健康生体医学分野法医学・教授
Department of Forensic Sciences, Kanazawa Medical University, Graduate School of Medical Science, Medical Life Sciences Course, Field of Health Ecology/Professor

当講座では法医解剖を通じて主に石川県北部の能登地方の死因の究明を行っています。研究テーマは法医実務における死因解明への法医病理学的応用に加え、内因性急死事例の病因遺伝子や薬物摂取者における代謝酵素の遺伝的解析を行っています。また、指導教員は東京都の監察医として多数の検屍・解剖の実務経験を有し、学生の法医実務の知識と技術の習得に貢献します。法医学への熱意と興味を有する人材の参加を期待します。

飯沼 由嗣(Yoshitsugu Iinuma)

金沢医科大学 臨床感染症学 教授
Department of Infectious Diseases, Kanazawa Medical University/Professor

私の専門領域は、臨床感染症学、臨床微生物学、感染制御です。新型コロナウイルス対策では地域の医療関連施設の支援も行っております。感染症学の専門家の立場で参加しております。法医学との関わりは、原因不明の菌血症を繰り返した代理ミュンヒハウゼン症候群(MSBP)の事例の経験などです。次世代の法医学を支える人材の育成に貢献できれば幸いです。

岩原 香織(Kaori Iwahara)

日本歯科大学・教授
Department of Forensic Dentistry, The Nippon Dental University, School of Life Dentistry at Tokyo/Professor

臨床歯科法医学を専門とし、大学等での教育や研究、各種機関からの依頼に基づき実務を行っています。本プログラムでは歯科医学や歯科臨床の応用をご理解いただき、活用していただけるような講義を目指します。正しい検査や技術、知識を修得していただき、責任を持って、社会へ還元してくれる人材を期待いたします。

地中 啓(Satoshi Chinaka)

石川県警察本部科学捜査研究所・主任研究員(元所長)
Ishikawa Prefectural Police Headquarters, Forensic Science Laboratory/Senior Researcher (Former Director)

専門は法中毒学と法化学であり、犯罪現場から採取された薬毒物や生体試料、その他様々な証拠品を分析し、事件解明の一翼を担ってきました。科学捜査研究所長を務め役職定年を迎えた後も科捜研に残り、一研究者として再び犯罪の最前線の分析を担っています。次世代の法医学を支える人材の育成に少しでもお役に立つことができれば幸いです。

金沢大学

秋田大学

金沢医科大学


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